かつての同僚・吉田麻也も絶賛
サウサンプトン時代は利己的なプレーが目立ち、中堅クラブで王様として振る舞うタイプの選手だと思われていた。実際、2年前にリバプール移籍が決定する少し前、セント・メアリーズの記者席で近くに座っていたセインツOBの解説者と地元の番記者が「成功してほしいけど、難しいんじゃないか」と話していたのも覚えている。
かくいう筆者も、コップのファンの前でマネが大成する可能性は低いだろうと、懐疑的な目を向けていた。しかしながら、リバプールではクロップ監督のもと、確実に状況判断が改善され、プレー選択の幅が広がった。
強引にいくところといなかいところ、ドリブルするかパスで崩すかといった、攻撃の局面で判断力が向上したことに加え、ボールを失った際には必死にリトリートして敵の選手をマーキングする姿もしばしば見かける。
総額3850万ポンドの移籍金でステップアップし、レギュラーの座をガッチリつかんで、しっかりと結果を残しているのである。リバプールではサウサンプトン時代よりさらにハイペースでゴールも決めている。セインツ時代の75試合25得点14アシストに対して、レッズでは72試合32得点17アシストである。
サウサンプトン時代に2シーズンをともにした吉田は、ワールドカップで同グループになったチームのエースを「すごく真面目で野心的で向上心があって、もちろん技術、スピードというのもそうですけど、メンタリティーが非常にいい選手だと思う。素晴らしい選手ですね」と絶賛する。掛け値なしの本気の意見だろう。
昨年12月にロシアワールドカップの組み合わせが決定して以来、同僚の日本人記者が試合後のマネにインタビューをする姿を数回見てきたが、彼らは一同に「気さくだった。『短い時間だけ』と前置きしながら、とてもよく話してくれた」と言っていた。