ザック監督との4年間はミス連発で苦い記憶に
4年前の2014年ブラジルワールドカップに挑んだ日本代表は「史上最高の国際経験値」を誇る集団だった。当時マンチェスター・ユナイテッドでプレーしていた香川真司(現・ドルトムント)を筆頭に、内田篤人(シャルケ)、本田圭佑(パチューカ)、長友佑都(インテル)らがUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)経験を積み重ねるなど、世界基準を知る選手たちが数多くいた。
そんな彼らにアルベルト・ザッケローニ監督も絶大な信頼を寄せ、中心メンバーを4年間ほぼ固定してきた。2013年東アジア選手権(韓国)で活躍した柿谷曜一朗や山口蛍(ともにC大阪)、青山敏弘(広島)、森重真人(FC東京)らが最終的に滑り込んだが、主軸を担う面々は不動だった。
長谷部誠(フランクフルト)と内田が大会直前に負傷で長期離脱するアクシデントに見舞われたのは痛かったが、2014年に入った時点でチームの骨格はできあがっていた。本番2カ月前の指揮官交代という異例の事態に直面している2018年ロシアワールドカップの日本代表とは前提条件が全く違うことをまず認識しておく必要があるだろう。
ザックジャパンは今回よりはるかに恵まれた状況にあったが、チームは数々のミスを犯した。1つ目が直前合宿での負荷の大きすぎるトレーニングだ。彼らは5月21〜25日に鹿児島県指宿市で1次合宿を行ったが、指揮官はシーズン中の試合出場数やコンディションを踏まえることなく全員にハードな走りを課した。
ケガ明けの長谷部や内田はもちろんのこと、J1の過密日程を強いられていた最年長の大久保嘉人(川崎)も配慮はなし。27日の壮行試合・キプロス戦(埼玉)直後の米国・クリアウォーターでの2次合宿でもフィジカル色の強いメニューを一斉に消化することになった。