4バックと3バックの併用を完成させられるか
数的不利の状況を数的同数に、さらには数的優位にもっていくことが守備の鉄則と考えれば、人数をかけてブロックを形成する必要性も生じてくるかもしれない。そうした場面に直面しても、長谷部の経験値と統率力の高さが武器なると槙野は全幅の信頼を寄せる。
「ブロックを敷く位置にもよると思いますけど、自分たちのゴール前で人数をかけて守るよりかは、これに関しては長谷部選手がラインを設定すると思いますけど、1つ、2つ高い位置にブロックを作ることで大きく変わってくると思っています。
まだ(3バックを実戦で)やったことがないので、練習のなかでいろいろなことを感じながらいろいろな失敗をして、その結果としてたくさんの課題が見つかることは、いま現在のチームにとってはポジティブな要素になると僕は思っています」
西野監督も来たるロシアワールドカップで3バックだけにこだわる、と選手たちには伝えていないという。4バックに関してはすでに習熟している、という考え方のもとで、対戦相手の形や出方によってもうひとつの戦い方が確立されていれば、選手たちの気持ちにも余裕が生まれる。
実際、3月の国際親善試合ではグループリーグで対戦するセネガル、ポーランド両代表も3バックをテストしている。ほんのわずかでもいいから、対戦相手を上回るために。残された時間をフルに活用し、23人の正式メンバーに生き残るためのプレッシャーとも戦いながら、槙野をはじめとする26人の代表選手たちは3バックを熟成させるための「3ヶ条」も突き詰めていく。
(取材・文:藤江直人)
【了】