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日本代表 7年前

西野ジャパン、3バック導入への「3ヶ条」。攻撃のための守備を作りあげよ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

西野流3バックで意識すべき「3ヶ条」

 槙野が経験してきた3バックは、攻撃時にはボランチの一枚が下がって[3-4-2-1]から[4-1-5]へとシフト。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現北海道コンサドーレ札幌監督)と森保一監督(現日本代表コーチ、U-21日本代表監督)が採用した、いわゆる「可変システム」のもとで左サイドバックの役割を与えられた槙野は、右ストッパーの選手とともに積極果敢にオーバーラップして攻撃に厚みを加えた。

 しかし、槙野と右に入る吉田が守備に比重を置くからと言って、西野ジャパンが導入しようとしている3バック=守備的になるとは限らない。練習前のミーティングで西野監督から告げられたコンセプトを、槙野はこう説明する。

「昨年から続いている結果や試合内容を見ての西野さんの考え、だと思います。これから戦っていくうえで点を取りにいきたい、ポゼッションをしたいという意味で、できるだけ中盤と前線の選手のところで攻撃に厚みを加えたい、という意図がこの3枚にあると思っているので」

 勝利をもぎ取るためには、言うまでもなくゴールが必要になる。そのためには分母となる決定機を、可能な限り多く作り出すしかない。ならば、攻撃に厚みをもたせる青写真を具現化させるためには何が求められるのか。槙野の説明からは、西野ジャパンが目指す3バックにおける「3ヶ条」が伝わってくる。

 1つ目は「5バックには極力しない」ことだ。3バックで戦うチームが相手ボール時になると、左右のアウトサイドの選手も最終ラインに下がり、5バック状態で守るシーンがJリーグの試合でもよく見られる。西野監督はミーティングの席で、3バックを堅持してほしいと要望した。

「中盤のワイドの選手ができるだけ最終ラインに吸収されないようなやり方をしたい、できるだけ高い位置でプレスをかけていきたい、というのが西野監督の狙いだと思いますので、今日で言えば吉田選手と僕がやっていたポジションはかなりの運動量が求められ、頭も使ってプレーしなければいけない。

 僕たちが90分間を通してどれだけ相手にプレスをかけられるか、そしてワイドの選手たちをいかに前へ押し出せるかが、日本の生命線になると思いますので、自分のマークだけではなく、周囲の選手への気配りと全体のオーガナイズはしっかりしていかなければいけないと思っています」

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