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CL決勝展望。優勝のためにポゼッションを放棄せよ。リバプールを封じる、ジダン監督の奇策とは?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ブラジル人FWの動きは重要な要素

ロベルト・フィルミーノ
リバプールのロベルト・フィルミーノ【写真:Getty Images】

 対するリバプールもまた、レアルと同じような長所を持っている。激しい前線からのプレスを90分間継続し、ボールを奪うと素早くゴールへ向かい、その間に一気に選手がなだれ込んでくる。カウンターの威力は白い巨人にも引けを取らない。何と言ってもサディオ・マネ、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノの3トップは世界屈指の強力なトリオだ。

 リバプールとしてはCL準決勝で対戦したローマとの1stレグのような戦い方が理想と言えるだろう。この試合ではレアルと同じく、支配率、パス成功率、パス本数とあらゆる面でリバプールはローマを下回っている。

 しかし、シュートは21本放っており、決定的なパスの本数もリバプールが上回っているというデータが出ている。つまり、よりゴールに近いエリアでプレーしていたのはホームチームの方であった。

 リバプールもポゼッション重視のチームを得意としていると言えそうだ。事実、リーグ戦でもCLでもジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティ相手に完璧なゲームをみせていた。

 中でもフィルミーノ存在は大きい。基本的には3トップの真ん中でプレーしているが、試合中はサイドに回ったり、少し下がった位置でボールを受けたりと典型的なCFというタイプではない。

 しかし、背番号9が下がって相手DFを釣り出したりボールを受ける動きを繰り返すことによってマネやサラーに背後のスペースを使わせているのだ。記録には残らない“アシスト”をフィルミーノはやってのけている。

 実際、ローマとの準決勝1stレグで一番多く決定的なパスを配給しているのはフィルミーノだった。平均プレーエリアもマネやサラーよりも当然低く、パスを受ける回数も決して少なくない。ブラジル代表FWのプレーは、レアルに勝利するためにも非常に重要になってくるのではないか。

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