支配率はレアルに無意味? 攻守に貢献する、影の立役者とは
バイエルンとの第2戦も同じような展開だった。レアルの支配率はわずか40%、対するドイツ王者はこの日も60%の支配率を記録した。しかし、この試合でもボールを保持したチームが勝つことはできなかった(2-2)。
シュート数も22本放ったバイエルンに対しレアルは9本。パス成功率、パス本数などあらゆる面でホームチームは後手に回ってしまった。
しかし、この試合で一番多くシュートを放ったのはクリスティアーノ・ロナウドである。レアルの計9本のシュートに対し、背番号7は5本というシュートを浴びせていたのだ。そして、最終的に2点を奪ったのはカリム・ベンゼマだった。
抜群の破壊力を持つカウンターにおいて、パス成功率や支配率、パス本数の多さは関係ない。それらに手数をかけず、得点を奪うというのが、カウンター最大の強みであるからだ。試合はバイエルンが圧倒していたと見られてもおかしくはない。しかし、C・ロナウドが5本のシュートを放ち、ベンゼマが2ゴールを挙げているという点をみると、前線にボールが行き渡っているということがパス本数のデータなどからはわからずとも、しっかりと認識できるのではないだろうか。
また、バスケスが守備面で貢献できる点は非常に大きい。単純に守備に厚みが増すだけでなく、ルカ・モドリッチやトニ・クロースなどといったチャンメイクが上手い選手が前線へ果敢に飛び出すことができるからだ。彼らがより高い位置を取ることによって、決定的なパスが増えるというプラスな面がある。
事実、バイエルンとの第1戦で右ウイングとして先発したバスケスの平均プレーエリアはセンターラインよりやや低い位置だった。それに対してインサイドハーフのモドリッチやクロースは同選手より少し高い位置を取っていることがわかっている。リバプールとの決勝でも、攻守両面で存在感を発揮したいところである。