「可能性がある限りは全てをかけて」(長友)
2002年日韓ワールドカップでもフィリップ・トルシエ監督が言う「高すぎるライン設定」をDF陣が自らの判断で下げて成功へと導いたことがあったが、自己判断力に長けた吉田なら先輩たちのように思い切りのいい決断も下せるだろう。
今回のロシアワールドカップに挑む日本代表では、本田圭佑(パチューカ)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)の「ビッグ3」の動向が注目されがちだが、今の西野ジャパンにとって本当に重要なのは、長谷部・長友・吉田という「守備のビッグ3」ではないか。
彼ら3人が指揮官のやろうとしていることをしっかりと理解し、率先してピッチ上で示さなければ、コロンビア、セネガル、ポーランドを封じ込めるような戦いはできない。逆にそれさえできれば、3週間という短い準備期間でも何とかなりそうな予感もある。
「客観的に見れば、厳しいことは分かっているし、確率的にはなかなか勝つのは難しいというのは感じてますけど、可能性はゼロではない。サッカーは何が起きるか分からないので、可能性がある限りは全てをかけてやりたいし、こういう準備からその結果が決まってくると思う。とにかくこのワールドカップは必ず成功させたい。そこは今まで以上の気持ちがあります」と長友がギラギラしたものを前面に押し出した通り、全員が貪欲かつ泥臭く西野ジャパンの守備システムに適応し、相手を徹底的に抑えるベースを築き上げること。
まずはそこに集中して、ガーナ戦で完成形の一端を示してほしい。指揮官が26日から本格的にどのようなアプローチをしていくのかも興味深いところ。そこも注目しつつ、「守備のビッグ3」の一挙手一投足を見ていきたい。
(取材・文:元川悦子)
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