成功は守備の安定とともに
21日から千葉県内で行われているロシアワールドカップ本大会に向けた日本代表合宿。5日目の25日には、3度目の世界の舞台に挑む長谷部誠(フランクフルト)、川島永嗣(メス)、長友佑都(ガラタサライ)の3人と、2014年ブラジルワールドカップ経験者の酒井宏樹(マルセイユ)も合流。日本の成否のカギを握る守備陣が加わって、全27人が揃った。
西野朗監督も「ここ最近、代表チームの活動、試合というものがあまりいい形で発信されていない。ガーナ戦(30日=日産)でワールドカップに出場できるチームだということを見せよう」と全員集合したこのタイミングで改めて気合を入れ直した。「ケガ人を含めて選手たちが想定以上の(悪い)状態」とも語っていて、コンディションを上げながら、チームとしての戦い方を構築していく作業は困難を極めるだろう。
そういう苦境の中で、日本がサプライズを起こそうと思うなら、真っ先に着手しなければならないのが、強固な守備組織の構築である。
8年前の2010年南アフリカワールドカップでのベスト16入りと4年前の惨敗の両方を経験している長友佑都は「一番やらなきゃいけないのは守備? まずそこですね。僕自身が守備の選手ってこともありますけど、チーム一丸となってどこでボールを取りにいくのか、どういう連動を見せるのかっていうのはしっかりと話し合わなきゃいけない。そこが混乱しちゃうといい攻撃もできない。まずはその確認が必要だと思います」と語気を強めた。
確かに、過去5回のワールドカップを戦った日本代表を見ると、守備が安定していた2002年日韓ワールドカップ、2010年南アフリカワールドカップはグループリーグ突破という好成績を残している。前者であれば松田直樹や中田浩二(鹿島CRO)、後者は中澤佑二(横浜FM)と田中マルクス闘莉王(京都)という屈強なセンターバックがいたことも大きかった。
1998年フランスワールドカップにしても、結果的に3戦全敗の憂き目に遭ったものの、4バックから3バックへのシフトという難易度の高いテーマに挑んだ成果が出て、アルゼンチンとクロアチアという強豪国相手に互角の勝負を演じた。この時も井原正巳(福岡監督)、秋田豊、中西永輔(ともに解説者)という有能なDF陣の奮闘がチームを支えていたのは間違いない。