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Jリーグ 7年前

Jリーグ「外国人枠撤廃」が独り歩きする危険性。「日本人枠」創設で将来見据えた育成改革を

text by 藤江直人 photo by Getty Images

日本サッカーが手本としてきたブンデスリーガには外国人枠がない

 Jリーグが産声をあげた1993年を振り返れば、日本代表がまだワールドカップ出場を果たしていない時代が続いていた。プロ化の目的のひとつには日本代表の強化がすえられていて、日本人選手育成の妨げにならないように、黎明期から「3人」という外国人枠が設けられてきた。

 それから四半世紀の時間が経過したなかで、Jリーグのグローバル化やレベルアップを目指して、外国人枠の拡大・緩和や撤廃が議論されるたびに、日本人選手の出場機会が減少して、引いては日本代表を担えるような選手が育たないのでは、という問題がクローズアップされてきた。

 果たして、懸念された通りに外国人枠の有無は自国選手の育成、そしてリーグ全体のレベルアップと相関関係にあるのだろうか。たとえば日本サッカー界が長くお手本としてきた、ドイツのブンデスリーガは2006/07シーズンから外国人枠を撤廃。長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)や香川真司(ボルシア・ドルトムント)ら、数多くの日本人選手が活躍する土壌となってきた。

 一方でドイツ代表に目を移せば、2010年のワールドカップ南アフリカ大会で3位、2014年の同ブラジル大会では6大会ぶり4度目の優勝を勝ち取り、まもなく開幕を迎えるロシア大会でもブラジル代表とともに優勝候補の筆頭に挙げられている。

 無類の強さをさらにレベルアップさせてきた背景には、外国人枠の撤廃と同時に導入された「ドイツ人枠」と無関係ではない。各クラブは最低でも12人のドイツ国籍をもつ選手を登録し、そのうち8人はドイツ国内のアカデミー出身、さらに8人のうち4人は当該クラブのアカデミー出身でなければならないといま現在では定められている。

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