フランス戦、0-2からの逆転劇を生んだ「抜け目のなさ」
コロンビアは日本にとって最も難しい相手だ。3カ国の中では特徴が掴みにくく、試合の中でシステムや攻守のリズムなどを変えることもできるチームであり、前回大会から率いるペケルマン監督のもとでチームが成熟している。
ハメス・ロドリゲスという中心選手はいるが、そこを封じれば解決というチームでもない。怪我で出場が危ぶまれていたクアドラードもユベントスの最終節にはベンチ入りしており、6月19日の日本戦には照準を合わせてくると想定した方がいいだろう。
3月には3-2と逆転勝利したフランス戦では通常通りの[4-2-3-1]を採用していたが、その4日後のオーストラリア戦は[4-3-3]でウィルナー・バリオスをアンカーに配置する形で、前線にファルカオ、バッカ、ハメスの3アタッカーを並べる形だった。
この[4-3-3]の場合は攻撃においては3バックになり、左右のSBが高い位置を取ってくる。一方で[4-2-3-1]の場合は4バックをある程度揃えながら組み立てに応じて全体を押し上げる。西野監督としてはどちらにも対応できる様に準備しておきたいが、ハメスのポジショニングもかなり変わってくる。ハメスを自由にさせないといっても、そこに翻弄されない様にDFラインとボランチがシェアしていく必要があるだろう。
コロンビアの強みはポゼッションからでもカウンターからでも攻め切れること。フランス戦は0-2からの逆転勝利が賞賛を集めたが、1点目はリスタートから、2点目は相手のビルドアップのミスを突いてのショートカウンター、3点目はPKということで、コロンビアの抜け目なさが表れた3つのゴールだった。
日本が最も気をつけないといけないのは一瞬の隙だ。32歳のファルカオもそういうシーンで決定力を発揮するタイプの選手だ。特に日本はスタートからうまく入れた時ほど、そこからちょっとした変化に隙を見せることが多く、その課題はハリルホジッチ前監督から宿題になっている部分がある。