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日本代表 7年前

10年南ア大会。「日本は弱い」超守備戦術で16強。”本田1トップ”に見る西野Jへのヒント【日本代表W杯の記憶】

シリーズ:日本代表W杯の記憶 text by 元川悦子 photo by Getty Images

カメルーンとの初戦勝利で一気に団結

南アフリカワールドカップ
南アフリカW杯の初戦でカメルーンに勝利した日本代表。そこから一気に団結し、ベスト16入りを果たした【写真:Getty Images】

 30分×3本ゲームの1本目に出てきたのは、GK川島、DF(右から)駒野、中澤、闘莉王、長友、アンカー・阿部、インサイドハーフ・長谷部、遠藤、右FW松井、左FW大久保、1トップ・本田という陣容。

 ジンバブエ相手にゴールを奪えず0-0で終わったものの、闘莉王は「チャンスも作ったし、前より進歩してるじゃん」と明るく語り、最前線に初めて入った本田も「前でやるとは聞いていたし、驚きはなかった。準備もしていたし、むしろ初めてにしてはやりやすかった。手ごたえを感じた」と前向きに話した。

 これでようやく本番仕様のチームができたのだが、14日の初戦・カメルーン戦(ブルームフォンテーヌ)は4日後。そんな突貫工事でグループリーグを突破できるほど、ワールドカップは甘くない…。取材陣の多くが厳しい見方を崩さなかった。

 しかしながら、急造チームは重要な初戦を1-0で勝ち切ってしまう。前半39分、右サイド・松井の切り替えしからのクロスにファーサイドで合わせたのが本田だった。この先制点の後、日本は川島らを軸に相手を跳ね返し続ける。長友もエトオを完封し、阿部ら中盤3枚も凄まじいハードワークで失点を許さなかった。

 こうして得た白星でネガティブだったムードを一掃し、日本は強固な一体感に包まれた。

「初戦までは正直、そこまでチームがまとまっていたわけじゃなかったけど、カメルーン戦に勝ったことで物凄い結束が生まれた」と松井も証言していたが、ワールドカップの初戦勝利がどれほど大きな意味を持つかを実感させられるゲームだった。

 これで勢いに乗った日本は19日の第2戦・オランダ戦(ダーバン)こそ0-1で落としたものの、24日の第3戦・デンマーク戦(ルステンブルク)を3-1で勝利。グループ1位でラウンド16に進出した。

 29日に行われたパラグアイとの一戦も一進一退の攻防が繰り広げられ、120分が過ぎても0-0。まさに強固な守備と守備とのぶつかり合いの結果、PK戦へともつれ込み、日本は三番手の駒野が外して、南ア大会終焉の時を迎えることになった。

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