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日本代表 7年前

大切な“お笑い担当”槙野智章の原点。挫折とともに歩んだキャリア、憧れ続けたW杯は目前

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「槙野智章」というキャラクターの原点

槙野智章
槙野智章はDAZNのイベントであこがれの三浦知良の隣に立つ機会もあった【写真:Getty Images】

 レッズでは自らのファウルでPKを献上し、アントラーズに年間王者の座をさらわれた2016シーズンの明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ決勝第2戦が、どん底のひとつに数えられるはずだ。

 日本代表では8試合を戦ったワールドカップアジア最終予選における出場がわずか1試合、それも左サイドバックを任された2016年10月のオーストラリア代表戦だけにとどまったことになるだろう。

 それでも、槙野は一度たりとも下を向かなかった。逆境を真正面から受け止め、さらなるレベルアップを図るための努力も惜しまなかった。頻繁に更新されているインスタグラムには、高地トレーニングと同じ効果が望める練習を、都内の専門フィットネスジムで積んでいる動画がアップされている。

 ある日は標高2900メートル、またある日には同3200メートルといった具合に室内の環境を設定。そのうえで過酷なトレーニングメニューを自らに課す理由を、槙野はこう説明する。

「昨年11月や今年3月のヨーロッパ遠征でも感じたことですが、国内組の選手は正直、国内でプレーするだけでは海外でプレーする選手たちには勝てません。そうした刺激を受けた意味でも、できる限り厳しい環境を作ってレベルアップしていくのか、という時間が自分には必要だったと思います」

 吉田がジョーク混じりに「お笑い担当」と言ったように、持ち前の陽気なキャラクターをフル稼働させながら、チームを盛り上げる役割も自ら率先して担ってきた。その原点は小学生のときに夢中になってテレビ越しに見た、黎明期のJリーグにある。

「あのときのJリーガーたちは、カズさん(三浦知良)にせよゴンさん(中山雅史)にせよ、あらゆる方々が盛り上げていました。サッカーとはプレーするだけでなく、見ていても楽しいんだと思わずにはいられませんでした」

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