チームに安心感を与える吉田麻也の自信
世界No.1のストライカー、ロベルト・レバンドフスキを擁するポーランド代表とのグループリーグ最終戦を意味ある戦いにするために。システムが4バックであれ3バックであれ、吉田を含めた守備陣に求められるプレーは変わらない。
南アフリカワールドカップでベスト16進出を果たした岡田ジャパンの最終ラインで城壁を築きあげた、中澤佑二(横浜F・マリノス)と田中マルクス闘莉王(現京都サンガ)からバトンを託されて8年目に入った。通算で80ものキャップ数を積み重ねてきた軌跡を、吉田はこう振り返ったこともある。
「いきなりチャンスをもらえて、しかもずっと出場することができた点で僕は幸運でした。ただ、(サウサンプトンで)試合に出られない時期も長かったなかで、(代表で)結果を出さなければ次はない、という状況に常に立たされているとも思ってきました」
ならば、次なる照準はどこにすえられているのか。ロシア大会へ臨む23人が決まる前の最後の一戦となるガーナ戦となるのか。あるいは、来月19日のコロンビア戦となるのか。
「もちろん初戦にもっていきたいと思っています」
決して代表入りを楽観視しているわけでも、ましてや驕っているわけでもない。濃密な経験が刻まれているサッカー人生の軌跡が吉田に絶対的な自信を与え、守備陣を束ねながらチーム全体にも安心感を与える存在感の源にもなっている。
(取材・文:藤江直人)
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