3バック、5バックはコロンビア対策として有効?
30日のガーナ代表との壮行試合(日産スタジアム)へ招集された27人の顔ぶれでは、ボランチを務められる選手が実に8人を占める。長くボランチを務めてきた長谷部誠を、所属するアイントラハト・フランクフルトと同じ3バックの中央でプレーさせる――ロシア大会用の構想が描かれているがゆえに、大きく偏った編成となったと見ていい。
ハメスに加えて、左ひざの大けがで前回大会を棒に振った点取り屋、ラダメル・ファルカオ(モナコ)も復活。脅威を増したコロンビアの攻撃陣に、状況よっては左右のアウトサイドも下がる5バックで対峙する。味方同士の距離を縮め、相手が攻め入るスペースを消し去る意味でも、実力で劣る日本が取る対策としては一理ある。
「僕が聞きたいですよ。まだ(ミーティングを)やっていないし、戦術的な話もないので」
千葉県内で行われている、ガーナ戦へ向けた合宿の2日目を終えた22日に、指揮官交代が守備ラインに与える影響を問われた吉田は思わず苦笑いを浮かべた。時間はあまりにも少ないが、それでも所属クラブで3バックを経験している長谷部、槙野智章(浦和レッズ)、そして吉田がいる意味はポジティブに受け止めていいだろう。
「全員がそろってからチームを構築しなければいけない。ベーシックな守備をまず作るだろうし、もちろん攻撃の形やアイデアも出さなきゃいけない。やるべきことがたくさんあるので一日も無駄にできないし、より質の高いものが大事になってくる」
招集された全員が集まる25日以降から、本当の意味での準備が始まると腕をぶしている吉田は、実は“予習”も済ませていた。故障で日本代表に招集されなかった3月シリーズ。コロンビアがオーストラリア代表と0‐0で引き分けた27日の国際親善試合を、吉田は会場となったロンドンのクレイヴン・コテージへ足を運んで記憶に焼きつけている。
「非常に強いチームだな、と思いました。テレビで見るのとはまた違って、個々の特徴を含めた相手の情報をより明確にインプットできたし、見に行く価値があった試合でした。4年前とは比較しづらいですけど、前線には個の能力が高い、後ろには人に強い選手がそれぞれ多くいますよね。
ビルドアップに関しては、下がってくるアンカーや右サイドの選手へシンプルにパスを出して、そこから前で自由に動くハメスにパスを集めて、他の選手たちがハメスとは逆の方向に動くことでバランスを取り、相手ゴールまでいくというのがひとつのパターンかなと思いました」