名監督たちが絶大な信頼を寄せる実力とは
今季はヨーロッパリーグ(EL)のほとんどの試合でゴールを任され、敗退に終わったものの準決勝のアトレティコ・マドリー戦は1stレグ、2ndレグともに先発で使われた。
ヴェンゲル監督が大舞台でアーセナルのゴールマウスを託してきたように、実力はチェフに大きく劣らない「最強の第2GK」なのである。
コロンビア代表でも10年近く絶対的な存在であり続け、ホセ・ペケルマン監督からの信頼も厚い。経験を積んで試合勘に左右されない安定感を身につけ、クラブで出番に恵まれない状況でも常に一定の力を発揮できるようになった。
そしてオスピナの特徴といえば、守備範囲の広さである。身長183cmとGKとしては小柄で、ましてプレミアリーグで評価されるようなフィジカル的な強さを持ち合わせているわけではない。だが、一瞬のスピードと機動力を駆使してゴール前の広い範囲を守り、未然にピンチの芽を摘み取っていく。
以前は凡庸と評されたフィード能力にも磨きがかかっている。以前、利き足である右足を負傷しながらプレーしていた際、左足だけで正確なフィードを蹴り続けていたことがあった。もちろん右足の精度も抜群で長短のパスを自在に蹴り分ける。
体格的には日本人GKとそう変わらないが、トップレベルで積み上げた経験と、強靭な精神力に裏打ちされた安定感、生来の身体能力、南米らしいしたたかさを併せ持った絶対的守護神が、コロンビアのゴールに鍵をかける。ワールドカップ初戦で対戦する日本にとって、この壁をいかに壊すかは、ハメス・ロドリゲスやファルカオら攻撃陣を止めることと同じくらい困難を極めるはずだ。
(文:編集部)
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