不安要素の大きい香川と岡崎の状態
その経験値は本田の財産に他ならない。今回は初戦・コロンビア戦(サランスク)まで約1ヶ月の時間的猶予があるだけに、本人も現時点では特に焦っていないはず。この日は報道陣の取材には答えなかったが、それなりの自信を抱いている様子がうかがえた。
その本田に比べると、香川と岡崎は不安要素が少なからずある。2月から3ヶ月間実戦から遠ざかり、5月12日の今季ドイツ・ブンデスリーガ1部最終節・ホッフェンハイム戦で16分間プレー。辛うじて公式戦復帰を果たしたものの、まだフル稼働できる状態とは言い切れない。
21日の代表練習は全てのメニューをこなし、左足自体には問題ないようだったが、「90分フルでプレーできる時期? 具体的には分からないし、(実戦が)久しぶりなのは間違いないですから。ただ、しっかりと対応できるように練習からやっていくしかない」と手探りでコンディションを上げていくしかない状態だという。
一方の岡崎に至っては、21日の合流初日からいきなり別メニュー調整を強いられた。最初の心肺機能計測の軽い走りにも加わらず、トレーナーと入念にストレッチなどを繰り返していたのだ。途中のランニングだけは参加し、一時的にスピードを上げたが、やはり痛めている左足首を庇いながらの走りで完全復帰にはしばらく時間がかかりそうだ。
さらに言うと、4月19日のサウサンプトン戦からイングランド・プレミアリーグ終盤5試合を欠場していて、試合感覚の不足は香川以上かもしれない。本人は「自分の中では30日のガーナ戦(日産)をどういう感触でできるかってところが一番なのかなと思います」と最終メンバー23人絞り込みのサバイバルマッチが大きな試金石になると見ているようだ。ここで100%の状態に回復できなければ、3度目の世界舞台が危うくなる。それを本人も自覚しているから、今は左足を治すことだけに集中しているのだ。