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日本代表 7年前

02年日韓大会。俊輔、衝撃の落選も揺るがず。“奇人”トルシエと個性派集団で16強【日本代表W杯の記憶】

シリーズ:日本代表W杯の記憶 text by 元川悦子 photo by Getty Images

どんなアクシデントにも選手が責任を

 こうして日本はグループリーグを1位通過。ホスト国の責任を果たした。それだけに、ラウンド16・トルコ戦(宮城)での0-1の敗戦は悔やまれるものがあった。

 トルシエは西澤を1トップに据え、そのやや後ろに三都主を配置。2列目に中田を入れた3-4-2-1とも、2-3-1-2ともいえるサプライズ布陣を採った。これは練習でも他の試合でもやったことはない。

「トルコの右サイドバックを突くため」という意図はあったようだが、誰もが驚きを隠せなかった。好調を維持していた鈴木と柳沢を下げたうえ、チュニジア戦で中田の2点目をアシストした市川大祐(清水普及部)もベンチスタートにしたことも不可解な采配に映った。

 土砂降りの大雨に空席が目立つバックスタンドという奇妙なムードも災いし、トルコのMFウミト・ダバラの一撃に日本は屈することになった。

「試合が終わった後は何とでも言える。三都主のクロスバーに当たったシュートが入っていれば結果は違っただろう。私はベストイレブンを選んだつもりだ。あの時はグループ1位になるより、2位になった方がよかった。そうすれば神戸でブラジル戦を戦えたから。その方がいいパフォーマンス出せていたはずだ。神戸は素晴らしいスタジアムだしね」とトルシエは後に負け惜しみを言っていたが、強固な結束力とオートマティズム、選手個々の判断力も兼ね備えた好集団だっただけに、ここで負けたのは惜しかった。

 ただ、トルシエというエキセントリックな指揮官と当時の個性豊かな選手たちはいい意味でマッチしていた。そこがヴァイッド・ハリルホジッチ監督解任という結末になった現在の日本代表との違いかもしれない。

 当時から学べることがあるとしたら、どんなアクシデントが起きても選手たちがしっかりとまとまりを持って戦うこと。そして自分たちで責任を持って判断しながらプレーすること。そこに尽きるのではないだろうか。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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