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日本代表 7年前

98年仏大会、“急造3バック”の功罪。守備善戦も「カズ落選」で勝利遠のく【日本代表W杯の記憶】

シリーズ:日本代表W杯の記憶 text by 元川悦子 photo by Getty Images

難易度の高いテーマに挑む西野監督

西野朗監督
日本代表を率いる西野朗監督【写真:Getty Images】

 この教訓から言えることは、3バックへのシフトだけに多くの時間を費やしても、肝心な得点という結果に結びつかなければ、勝利を得られないということだ。

 日本の組織的守備はアルゼンチンとクロアチアという当時の世界トップ国に十分通じたが、決めきるところの精度を欠いた。3試合通して日本が決めたゴールは26日のジャマイカ戦(リヨン)で中山が決めた1点だけ。それだけの得点力ではやはりグループリーグ突破を狙うのは難しい。

 しかしながら、西野ジャパンは21日の直前合宿から立ち上げる新たなチーム。守備のオーガナイズを固めるところからやるしかないのは確かだ。3バックで行くなら行くとハッキリさせて、98年フランス大会で岡田監督がやったように相手を徹底的につぶす形を確立させることは必要不可欠だ。そのうえでどう点を取りにいくかという点も同時に考えていくしかない。

 2010年南アフリカ大会の時は本田圭佑(パチューカ)と遠藤保仁(G大阪)というFKの名手がいたから助かったが、今の日本にそういう選手はいない。だからこそ、流れの中でシンプルにゴールを挙げる術を模索していくことが肝要だ。

 それができる選手をリストアップし、どういう配置で挑むべきかをあらゆる角度から分析し、短期間で形にすること。非常に難易度の高いテーマが西野新監督には課せられることになる。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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