本番直前に4バックから3バックへのシフト
5月21日から関東近郊で行われる2018年ロシアワールドカップ直前合宿。ここから西野朗新監督率いる新生・日本代表のチーム作りが本格的にスタートする。本番まで1カ月足らずという短期間で、新指揮官がいかにして勝てるチームを作り上げるのか。そこは非常に興味深いところだ。
西野監督は所属のフランクフルトでボランチと3バック中央の両方をこなしているキャプテン・長谷部誠を最終ラインに下げ、3バックにシフトするのではないかという見方も根強い。
FIFAランク60位という日本が格上の相手に勝つためには、守りにより多くの人数を割いて守備的に戦うしかない。そう考えると、3バックへの布陣変更は理に叶っていると言っていいかもしれない。
改めて振り返ると、日本が初めてワールドカップに参戦した20年前の98年フランス大会でも、本番直前に4バックから3バックへのシフトが行われているのだ。
97年9〜11月のアジア予選を何とか突破した岡田武史監督(FC今治代表)率いる日本代表は、98年2月のオーストラリア遠征から本大会に向けて再始動した。
このタイミングで柳沢敦(現・鹿島コーチ)や中村俊輔(磐田)ら20歳前後の若手初招集に踏み切り、3月のダイナスティカップ(韓国・香港・中国戦=横浜)で城彰二(解説者)と中山雅史(沼津)の新たな2トップコンビを試し、4月の日韓戦(ソウル)でも10代の小野伸二(札幌)や市川大祐(清水普及部)をトライするなど、さまざまなテストを繰り返したが、基本布陣は4バックのままだった。