3年ぶりの復帰でコロンビアにリベンジなるか
2015年3月のウズベキスタン戦を最後に事実上の代表引退を決めていたとも伝えられる青山。紆余曲折をたどりながらワールドカップの直前で代表に戻ってきた32歳は、守備にボールを奪うプレーに特徴を持つ選手である。だが今季は城福浩監督のもとで連動したプレッシングを高め、中盤でバランスを取りながら味方をカバーし、セカンドボールを拾うなど熟練したボランチらしいプレーを見せている。
彼の十八番である鋭い縦のミドルパスを狙う意識はそのままに、ショートパスを効果的に織り交ぜるなど、ゲームコントロールも目を見張る。西野監督になり、縦の飛び出しや仕掛けに加えて、攻撃陣がより近い距離感のコンビネーションで相手を崩そうとするシーンが増えるはず。そこから大きなチャンスが生まれる可能性が高まる一方で、ボールを失った時の守備のリスクも高まる。
[4-2-3-1]なのか[4-1-4-1]なのか、別の形もあるのか分からないが、ボランチは中盤でボールを失わず組み立て、ディフェンスにも備える必要がある。27人のうち長谷部誠、山口蛍、大島僚太、三竿健斗、井手口陽介、青山の6人が本職のボランチ、さらに柴崎岳や遠藤航もこなせる。本来なら青山と同じくブラジルワールドカップ経験者の今野泰幸も有力候補だが、右足首の手術を受ける必要があり招集が見送られた。
青山は正確なパスとボール奪取力に加えて、状況判断でも貢献が期待される。ブラジルワールドカップでは全く出せなかったという部分で成長を示し、日本代表を助けることができるか。特に初戦のコロンビアは当時と異なりベストメンバーで来るはずで、ハメス・ロドリゲスもトップ下で先発してくると見られる。4年越しの再戦で“リベンジ”を果たすためにも、青山は21日からスタートするキャンプでアピールしていく必要がある。
(文:河治良幸)
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