先月29日、離日時に空港で取材に応じたヴァイッド・ハリルホジッチ氏【写真:舩木渉】
サッカー日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ前監督が、日本サッカー協会(JFA)を相手に来週にも東京地方裁判所に提訴することが18日、分かった。ハリルホジッチ氏の担当弁護士が明らかにした。
4月7日に契約解除となったハリルホジッチ氏。その理由をJFA側に求めていたが、本人の望む回答はなかった。そこで5月10日、弁護士を通してハリルホジッチ氏はJFAに質問状を送付。回答を求めていた。
ハリルホジッチ氏が求めていたのは「解任となった理由」。なぜ自分が解任となったのか理由がわからず、説明を欲していたがJFAからの回答は「契約上、説明義務はない」というものだったという。
今回の契約解除はJFAの田嶋幸三会長が判断し、決定した。弁護士側は、「一般社団・財団法人法によれば手続き上、理事会の承認を得る必要がある。またJFAの定款にも重要な案件は理事会の承認が必要と書かれている」と語り、手続き上の問題点を指摘している。
ハリルホジッチ氏は引き続き自身が解任となった理由を求めており、提訴することとなった。田嶋会長は「誠実に対応する」と語っていたが、ハリルホジッチ氏は誠実さをまったく感じておらず、憤っているという。また、金銭について一切求めない。
来週にも提訴となり、裁判に向けた様々な手続き等が発生する。裁判は基本的に月1回で、JFA側は第1回を欠席することも可能なため、本格的に始まるのは8月以降だと弁護士側は見ている。
(取材・文:植田路生)
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