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長友との激闘再び。コロンビアの高速ウインガー、クアドラード。4年の時を経て得た円熟味【W杯 日本を襲う猛獣たち】

1か月後に迫ったロシアワールドカップ。日本はグループHでコロンビア、セネガル、ポーランドの3か国と激突する。本大会へ向け改めて確認しておきたいのは対戦国の要注意人物達だ。フットボールチャンネルでは日本と対戦する3か国の“猛獣”たちを紹介していきたい。今回はコロンビア代表のファン・ギジェルモ・クアドラードを取り上げる。(文:神尾光臣【イタリア】)

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 神尾光臣 photo by Getty Images

試合の行方を左右するほどの影響力

クアドラード
コロンビア代表のクアドラード【写真:Getty Images】

 4月29日、セリエA第34節のインテルvsユベントス戦。前節はナポリにホームで破れ、勝ち点1差に詰められたムードの悪さを受け、マッシミリアーノ・アッレグリ監督はディフェンスラインの総取り替えを決行した。そして右サイドバックには、コロンビア代表の高速ウインガーが起用されたのである。

 ファン・ギジェルモ・クアドラード。ユベントス所属3年目の彼は、右サイドの切り札的な存在として定着していた。近年はサイドハーフかウイングバックなど、攻撃的な位置での起用が主だったが、インテル戦では久々に4バックの右に入る。そして、この試合のキーマンとなった。

 前線のドゥグラス・コスタが中央に絞り、空いたサイドのスペースを上がる。それだけではない。ラインいっぱいに幅を取りボールを受けると、低い位置から前線の左サイドに向かってアーリークロスを放った。

 それはコンパクトに収縮した敵の守備組織の頭上を越え、比較的手薄になっているインテルの右サイドバック、ジョアン・カンセロのところへ落ちる。インテルのプレスの狙いどころを外し、弱点を突いたプレイは13分に奏功する。アーリークロスがドゥグラス・コスタに通り、先制点が決まった。

 その後、退場者が出たインテルが反撃に出て、特にサイドを攻め立てられる。守備よりも攻撃に持ち味のあるクアドラードはイバン・ペリシッチに抜かれた挙句にクロスを上げられ、逆転のオウンゴールと決められた。

 1人少ないインテルにジリ貧となり、2連敗となればスクデットも危機にさらされるユベントス。だがこのピンチを切り抜けるきっかけとなったのがクアドラードだった。ルチャーノ・スパレッティ監督が終盤にダビデ・サントンを投入し、それに伴い守備の強度が変わったところを一気に突いた。

 対面にいたペリシッチがポジション変更でCFに移ったため、プレッシャーがなくなったところを前に出る。そして、ゲームのテンションに入り込めていなかったサントンをかわしてエリアに侵入。中央にボールを送り、ミラン・シュクリニアルのオウンゴールを誘った。これで息を吹き返したユーベは、試合終了間際のFKを活かして3-2で勝利した。
 
 スピードが速く、テクニックも高い。それでいてスタミナは90分間落ちず、右サイドならばどこでもこなせるユーティリティーも備えている。’14年ブラジルW杯で日本に立ちはだかったスピードスターが、再び対峙する。

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