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イニエスタが日本に!? 実現したら最高だ。“一握りの中の一握り”に期待すること【宮澤ミシェルの独り言】

シリーズ:宮澤ミシェルの独り言 text by 青木務 photo by Junichi Ebisawa , Getty Images

イニエスタは一握りの中の一握り

 レアルにラウール(・ゴンサレス)っていたじゃない? 彼はアトレティコ・マドリーのカンテラ出身だった。でも、育成組織がなくなるという話が出て放出された。それでラウールはレアルに行った。こういうことが子どもたちにはたくさん起こる。

 育成はわからない、ということを頭に入れておかないと。そういう目で、より長く見てあげたい。大人になったどこかで開花する選手なのか、子ども時代から開花しているのか。早熟と晩熟があって、その時々に出てくればいいという見方だね。

 つまり、誰かの目にとまるということが大事なんだ。

 少なくとも僕の目に六平はとまっていた。間違いなく彼はJリーガーになっていい選手で、実際に大学を経て清水に入団した。前橋育英高校に進学する時に、あるメッセージをあげたんだよ。FC東京から環境を変えなきゃいけなかったんだけど、その言葉を信じて、そして彼自身の努力もあって輝いた。ある時、彼のお父さんから電話をいただいたんだ。本人じゃなくて親御さんから感謝されたというのは、そのメッセージを六平が本当に大事にしてくれていたんだなと。

 もちろん、迂闊なことは言えない。でも、何か光るものを大人が感じたら、それを本人に伝えてあげた方がいい。どこかでダメだと判断したり、自分自身で割り切ることも大切かもしれない。でも、1万分の1でも確率があったらみんなやりたい。じゃあそれを、誰がサポートしていくんだということを考えないと。

 イニエスタは一握りの中の一握りだよ。バルセロナを離れるなんて考えられなかったけど、違う国のクラブに行って色々なことを感じるだろうね。それが日本であれば僕も嬉しいよ。

 これまでの自分の価値観とは違うことに触れたり、様々な文化を感じた方がいいのかもしれない。人生勉強というか。常にトップオブトップで、何なら他のチームに行く必要もない選手だ。でも違う環境に飛び込んで、何かの役に立ちたくて、貢献したくて移籍するわけでしょう。

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