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代表 7年前

蘇る不死鳥、ラダメル・ファルカオ。4年前の悔しさをバネに最後の大舞台へ【W杯 日本を襲う猛獣たち】

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 小川由紀子 photo by Getty Images

本来の調子を取り戻す

ラダメル・ファルカオ
モナコではキリアン・エムバペ(左)らブレイク寸前のタレントたちとともに、ファルカオ(右)も奮闘した【写真:Getty Images】

 キリアン・エムバペを筆頭に、トマ・ルマール、バンジャマン・メンディ、ジブリル・シディベら、今夏ロシアへ赴くフランス代表の中核メンバーへと成長した4人衆、今季からマンチェスター・シティでプレーするベルナルド・シウバ、同じくチェルシーの中盤となったティエムエ・バカヨコら、この年のモナコは、ブレイク寸前のタレントの宝庫だった。

 さらに、選手の能力に応じた戦術を施すことを得意とするジャルディム監督のシステムは、ファルカオにもマッチした。

 エリア内での決定力が高いファルカオにとって、良いラストパスが出せる相棒の存在は生命線だが、超攻撃スタイルを採用していたこの年のモナコでは、両サイドバックから、中央から、エンドラインからの折り返しから、ゴール前のワンツーから、うれしいくらいに美味しいパスが彼のもとになだれこんできた。

 この年は開幕前のCL予選、対フェネルバフチェ戦でハムストリングを痛め、いきなり開幕から3試合欠場、その後も脳震盪などで欠場が続き、実際にコンディションが整いだしたのは11月ごろからだったが、いったんリズムを取り戻すと、そこから加速するのは早かった。

「必要なのはリズムを取り戻すことだけだった。タレントとかテクニック、得点感覚といったものは、そう簡単には忘れたりしないもの。リズムさえつかめればすぐに思い出す。だからとにかく、続けて試合に出る環境が自分には必要だった」と本人も振り返っている。

 また、チーム全体で計107点をあげたこのシーズン、エムバペやシウバ、ルマール、ジェルマンらも快調に得点を重ね、ファルカオ1人にゴールゲットの重責がのしかかっていなかったことも、スムースな復帰を助けたもう1つの要因になっていたように思う。

 今季は、エムバペやシウバ、メンディら主力がごっそり離脱し、メンバーは大幅に変わったが、ファルカオの得点感覚は序盤から冴え渡っていた。

 開幕からの10節までで得点がなかったのは2試合だけ、2節のディジョン戦ではハットトリックをマークし、蹴った枠内シュート12本のうち11本がゴールというとんでもない得点率。つまりは本来の彼に近い状態まで戻ってきている、ということだ。

【次ページ】W杯への思いは強い

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