別人となって帰ってきたファルカオ
今季も全コンペティション合わせて24点と、ラダメル・ファルカオは昨年に続き20点越えを達成した。今や完全にモナコの顔。その彼のモナコでの挑戦は、『プレミアリーグ前』と『プレミアリーグ後』の2期に分かれる。
ファルカオは、経営にロシアの実業家が参画し、カタール国のバックアップで銀河系集団となったパリSGに追いつけ追い越せとばかりに行った大補強の目玉としてハメス・ロドリゲスらとともに13-14シーズン、モナコにやってきた。
ところが、ファイナンシャルフェアプレー(FFP)問題の解消など金銭問題も絡み、わずか1年でイングランドに移籍。
しかしながらマンチェスター・ユナテッドにレンタル移籍した14-15シーズン、そしてそこからまたレンタルされたチェルシーでの15-16シーズンともに好調だったとは言いがたく、とりわけ2年目は大腿部の怪我で長期欠場し、計363分しかピッチに立っていない。
そして16-17シーズン、ファルカオはモナコに、「別人」のような姿で帰ってきた。
トレードマークだった長髪をバッサリ切り落とし、サイドをスッキリと刈り上げたまったく新しいヘアスタイル。そんな見た目も別人のようだったが、それよりも変わっていたのは中身だった。
練習中の様子からは喜びが溢れ出し、試合でボールを追う姿は、まさに水を得た魚。
「試合に出ていないと、どうしても気分もふさぎがちになる。とにかく試合に出続けてリズムを取り戻すことに、僕は飢えていた」モナコに復帰して間もない頃の気持ちを、ファルカオはそう表していた。
出戻った彼に対し、フランスメディアは最初は懐疑的だった。
マンチェスター・ユナイテッドでは6ゴール、翌シーズンのチェルシーではわずか1点しか決めていない彼のストライカーとしての嗅覚はもう鈍っているのではないかと。