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代表 7年前

コロンビアの王、ハメス。 挫折と復活を経て慢心なし。”裸の王様”が真の玉座へ【W杯 日本を襲う猛獣たち】

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 本田千尋 photo by Getty Images

新天地で花開いた実力

 老賢人の下、前半戦を通してチームに馴染んでいったハメスは、ミュンヘンの街中でも居心地の良さを感じているようだ。ブンデスリーガ公式サイトのインタビューの中で、次のように答えている。

「ミュンヘンの人たちはプライベートを尊重してくれる。外に出て、誰かが僕に気付いても、自由にして距離を保ってくれるんだ。僕は全くもっていつものようにコーヒーを飲んでリラックスすることができる。ここはファンタスティックな街だよ。僕はミュンヘンに夢中なんだ」

 こうしてバイエルンという新天地にも、ミュンヘンという異郷にも適応したコロンビア代表MF。後半戦に入ると、いよいよ本領を発揮していく。

 ハイライトは、3月31日に行われた第28節のボルシア・ドルトムント戦だ。バイエルンは6-0でライバルを粉砕した。

 インサイドハーフのポジションで先発したハメスは、バイタルエリアで攻撃のタクトを、振るい、1G2Aと決定的な仕事をする。

 14分、左サイドを走るダビド・アラバにパスを送ると、そのままペナルティエリアに走り込む。アラバの折り返しを、左足で押し込んで2点目を奪う。23分には、中央でゴンサロ・カストロからボールを奪取すると、そのまま駆け上がる。

 エリアに入ったところで、レバンドフスキからのパスをふわりと右に折り返して、トーマス・ミュラーによる3点目をお膳立て。そして46分、エリアの手前から、左足アウトでフランク・リベリーにラストパス。フランス人ウインガーはチップキックで5点目を決めた。

 翌日、4月1日付の『ズードドイチェ・ツァイトゥング』電子版は、ハメスのことを「おそらく今季で最も驚くべき成長」と報じた。ドイツメディアにとって、シーズン序盤はアンチェロッティ監督の下で眠っていたようだったコロンビア代表MFが、ハインケス監督の下で花開いたことは、目を見張るものだったようだ。

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