「彼は本当によく走る」(ユップ・ハインケス)
そしてチャンピオンズリーグ(CL)でも出場時間を伸していたその矢先—。27日、CLグループBの第2節でパリ・サンジェルマンに完敗した翌日、アンチェロッティは解任された。恩師との再共闘は、3週間も経たずに終わった。
イタリア人監督の後任にやってきたのはハインケス。ハメスにとって幸運だったのは、リーグ戦で不安定な成績を残し、ぐらついた王者の地位を立て直すべく復帰した老将が、新参者に対して理解があることだった。
「私はここで既に何度も言った。新加入の選手は、チームに溶け込むためにある程度の時間が必要だということをね。もし、ある選手が外国からやってきて、南アメリカ人だったなら、多くの要素が関わってくる。天候、食事、新しいチーム、異なるサッカー、そしてさらに多くの物事がね」
12月12日、第16節1.FCケルン戦を前にした会見で、ハインケスは語った。
獲得を申し出たアンチェロティが去っても、決して干されることはなく、新監督の下でハメスは出場機会を与えられた。前半だけプレーして交代になる試合もあったが、基本的にはリーグ戦で毎試合90分間出場した。チームに溶け込むために、ある程度どころか、十分な時間が与えられた。
そしてハインケスは、選手の適材適所を的確に判断する。
「レアル・マドリードでは左右のウイングでプレーしたが、私の下では[4-3-3]のインサイドハーフでプレーする。そこでハメスは居心地が良いんだ。そして多くの者が本当に驚くことだが、彼は本当によく走る。走力に関する莫大なデータがある。それはチームにとって本当に有益なことだ。
そして守備面で労を惜しまない。それは我々にとって、途轍もなくポジティブなことだ。私がチームを導こうとする上でね。ハメスは喜んでトレーニングに来て、良いパフォーマンスを見せる。バイエルンでも居心地が良いようだ」