グアルディオラさえ警戒した戦力を見誤る“節穴”
「一部の主力が監督に反旗を翻した」
クラウディオ・ラニエリ、クレイグ・シェイクスピア、クロード・ピュエル……。レスター・シティは3代連続で監督に対する不満がロッカールームからメディアに漏れ、いまや一介のクラブに戻ってしまった。世界中のサッカーファンを味方につけ、プレミアリーグを制した2シーズン前の面影はすでにない。ヨーロッパリーグの出場権争いにすらほとんど絡めず、今季を9位で終えている。
「たった半年で、偉大なチームを創れるはずがない」
最終節を前に、ピュエル監督はこう言った。「自分が就任したのは昨年10月下旬だ。準備する期間がなかったのだから致し方ない」とでも言い訳したかったのだろうか。「けが人が多すぎた」とも発言している。
しかし、戦力を見誤ったことも否定できない。ポゼッションの導入は、選手の個性を無視した暴走だった。レスターの強みはスピーディーなカウンターである。ジェイミー・ヴァーディー、岡崎慎司、マーク・オルブライトンといったハードワーカーが軸であり、彼らの運動量にリヤド・マフレズの〈魔法〉がミックスされたときは、ビッグクラブをも圧倒する。マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督でさえ警戒していた。
「ヴァーディ―、オカザキ、オルブライトンが連動してプレスをかけ、高い位置でボール奪取を狙ってくる。しかもカウンターは、ショートもロングも鋭い。レスターは手ごわいチームだ」
要するにピュエルは、基本的なゲームプランを構築する時点で間違いを犯していたのだ。また、選手が好パフォーマンスを披露しても、仏頂面でベンチに座っているだけ……。サポーターに支持されるタイプではない。