開始早々に脅威を示したジェイ
リーグ戦10試合負けなしで3位につける北海道コンサドーレ札幌は、味の素スタジアムで行われたアウェイゲームでも随所に「らしさ」を発揮した。
明治安田生命J1リーグ第14節、札幌はFC東京と対戦し0-0のゲームを演じ、価値ある1ポイントを持ち帰っている。
この日は、怪我から復帰したストライカーのジェイがスタメンに名を連ね、ここまで5得点を挙げるなどチームをけん引してきた都倉賢はチャナティップとともにシャドーに入った。
約1ヶ月ぶりの試合となった元イングランド代表FWが早速、見せ場を作る。相手のクリアを深井一希が跳ね返すと、これにジェイが反応。ディフェンダーと競り合いながら右足でシュートを放った。これは惜しくも枠を外れたが、相手に存在を知らしめるには十分なプレーだった。
しかし、以降はFC東京が攻勢を強める展開となり、札幌はなかなか前に人数をかけられなくなる。そうした状況で何とかマイボールにすると、アウェイチームはジェイにパスをつけようとする。とはいえ、FC東京も背番号48を警戒しており、タイトなマークを受けることになる。14分には相手のスパイクの裏が左足首にモロに入って悶絶。試合後、ジェイは報道陣にそのシーンの画像を見せながら苦笑いを浮かべていた。
FC東京もジェイが自分たちの脅威になる存在だと認識しているからこそ、少しの仕事もさせまいと激しく戦ってきた。
「試合は約1ヶ月ぶりだったのでキツかった」と振り返るジェイだが、相手に監視されながら、アイデアを見せている。34分、中盤でボールを持つと絶妙な浮き球をPA内に落とす。これに反応した菅大輝が強烈なシュートを放ち、こぼれ球を都倉が押し込んだ。待望の先制点かと思われたが、コントロールした際に菅にハンドがあったとして主審の笛が鳴った。
その後も最前線で奮闘したジェイは79分に交代でピッチを退いた。シュートは1本に終わったが、今後への期待を抱かせるプレーは見せた。「2位と3位の試合で、強い相手に対して引き分けたという結果は悪くないと思う」と話すように、チームは貴重な勝ち点1を手にした。