浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督【写真:Getty Images for DAZN】
明治安田生命J1リーグ第14節が13日に行われ、浦和レッズ対サガン鳥栖は0-0のドローに終わった。
90分間ほぼ一方的に攻め続けた浦和だったが、ゴール前に堅いブロックを敷く鳥栖の守備陣を崩しきれずゴールも奪えなかった。浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督は試合後の記者会見で「4試合前からずっと繰り返し見る姿が本日もありました。ただそれがよりはっきりと見られたのが今節でした」と、長い時間攻撃しながら決め手に欠いた展開を悔やんだ。
そのうえで、審判の振る舞いに言及し「再来日して気づいたことですが、レフェリーがあまり笛を吹かないということです。そういう展開になりますと守備をしたいチームにとって有利な試合になります」と判定に苦言を呈している。
「我々はラグビーではなくサッカーをプレーしたいと思っています。我々にとってプレーしにくい状況であると言えると思います。ボールを持ってプレーしようとしているチーム、勝とうとしているチームにとって、ファウルが起こってプレーが止まってしまうのに、それがフリーキックにならない展開でしたら、かなり不利になります」
前節の鹿島アントラーズ戦は「議論の余地が残るPK」で敗れたと述べたオリヴェイラ監督は、鳥栖戦でも橋岡大樹と柏木陽介に対して「明らかなホールディングがあったにもかかわらず笛が鳴らなかったですね」と、試合を裁いた家本政明主審と自らの間にファウルに関する認識の違いがあったことを指摘する。
記者から「鹿島を率いていた頃(2007〜2011年)に比べて審判の質は上がっているのか、下がっているのか?」と問われたオリヴェイラ監督。それには「昔の方が(審判の)レベルが高かったかもしれません」と持論を述べた。
「なぜならファウルのコンセプトや基準が変わってきているからです。非常に激しい、悪質なファウルがあってもフリーキックにならなかったりしますので、守備的にプレーするチームには有利だと思いますが、テクニックがあるチーム、ボールを持ってプレーしたい方にはプレーがぶつ切りにされてしまうのでやりにくい状況です。この状況ではフィジカル的な強さの方がテクニックに勝る内容になってしまいます」
記者会見の最後には「レフェリーについてはあまり触れたくなかったのですが、何試合も我々はイエローカードを出されない姿を見せていると思います。それはなぜかというと、ボールを持ってプレーしようとしているからです。それを阻止されている状況だったので話しました」と語って退席したオリヴェイラ監督。苛立った様子も見せながらではあったが、経験豊富なブラジル人指揮官からの日本の審判への鋭い指摘は今後議論を呼ぶきっかけになるかもしれない。
【了】