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イニエスタ、神戸移籍は最終段階。報じたのは伝統の老舗メディア。”煽り”とは異なる信ぴょう性

text by 山本美智子 photo by Getty Images

イニエスタ本人の将来に対する考えは…

 だからこそ「『カタルーニャラジオ』が、イニエスタのヴィッセル神戸移籍の可能性を報じた!」と、その他のスペインメディアも一斉に電子版で後追いの大騒ぎを始めたのである。

 ちなみに、スペインの主要ラジオの一つ『カデナ・セール』局は、「ヴィッセル神戸と話が決まった」と確定事項のように報じたが、『カタルーニャラジオ』はあくまでも「交渉はかなり進んだ状態」と伝えるにとどめている。
 
 前置きが長くなったが、一方のイニエスタ本人はどう思っているのだろうか。今回の騒動が起きた後、9日にホームで行われたリーグ戦、ビジャレアル戦のミックスゾーンにて、メディアを前に将来について「ヨーロッパ以外なら、どこでも可能性はある。中国という話があって、今度は日本の名前があがって、オーストラリアというのも聞いた。発表した時に(全員が)知ることになるだろうが、僕にはまだ1週間半、楽しむ時間が残っているし、(リーガが)終わった時点で、僕の気持ちは代表戦と将来のことについて向かうだろう。(契約を)締結するにあたり、細かいディテールが残っている。最適な選択肢を選ぶようにするよ」と話している。

 とはいえ、バルサのキャプテンたる人物が、第一線から退いた時にどこに行くのか、という問いは、社会問題化している。

 ビジャレアル戦から一夜明けた翌日の10日、某ブランドのイベントに出席したイニエスタは、そこで将来について再び聞かれ、「発表するのは、いったんリーガが終わって、僕のチームとの契約が終わってからになる。その10日間に、あらゆるレベルで最適な選択肢の決定を下すように努力するし、この決断でミスをしないようにする。自分の人生を捧げたクラブを去るというだけで難しいのだから」と改めてコメントしている。

 その一方で、この日、オーストラリアサッカー協会のエグゼクティブチーフを務めるデイビッド・ギャロップ氏が、イニエスタ獲得に関心があることを表明。「世界中からオファーがあるだろうが、オーストラリアは競争力の高いリーグを提供でき、オーストラリアンなライフスタイルがある。(アレッサンドロ・)デル・ピエロや他の(そのレベルに相当する)選手らを手にしてきている」とアピールした。中国や日本と比べて経済条件でかなわなくても、文化的に大きく異なる国とは違って、ヨーロッパの選手には楽に暮らせますよ…と暗に勧めているのだ。また、イニエスタを獲得する場合、その資金の一部をオーストラリアサッカー協会が負担するという報道もある。

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