差は開くばかり。アジア勢は危機感をもたなければ…
ここからは決勝トーナメントに進出した場合の賞金をみてみる。ベスト16→550万ユーロ(約7億円)、ベスト8→600万ユーロ(約7億7000万円)、ベスト4→700万ユーロ(約9億)、準優勝→1050万ユーロ(約14億)、優勝→1500万ユーロ(約19億)となっている。
現在準決勝を戦っているレアル・マドリーの総金額を計算すると、ここまでで3700万ユーロ(約48億円)までに上っている。仮にこのまま優勝するということになれば、5200万ユーロ(約67億円)もの大金を1大会で得ることができるのだ。
視聴環境や大会賞金にもこれだけの違いが生まれているという事実があるのだ。これだけでもいかにACLの注目度が低く、またCLの重要度が高いかがわかるだろう。
もちろん、お金のためだけに戦うのではない。クラブワールドカップ出場を目的としているクラブも存在するはずだ。
毎年12月に行われ、日本でも開催されていた同大会。日本でビッグクラブを見ることができるため国内からの感心も高い。Jクラブにとっては、欧州や南米の強豪クラブと対戦できる唯一の機会といっても過言ではなく、同大会に出場する意欲はどのチームも高いだろう。
しかしFIFA(国際サッカー連盟)が発表した今後の方針として、クラブW杯は4年に1度の開催となることが決定した。
クラブW杯は、選手のモチベーションを上げるためにも重要な大会だった。2016年に鹿島がレアル・マドリーと決勝で対戦した際には、大きな注目を集めた。最終的には敗れたが、世界との差、そういったものを実感するには良い機会であったことは間違いない。
しかし今後は4年に1度の開催。世界との差を肌で感じる機会はさらに少なくなってしまう。アジアの国々が世界から後れを取り戻す日は来るのだろうか。
(文:小澤祐作)
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