価値の高い大会、CL
一方、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)はどうだろうか。
言わずと知れた欧州最高峰の舞台を、控え組中心で挑むチームなど存在していただろうか。もちろん、メンバーを入れ替えながら挑むケースはある。しかし、主力11人全員を変更して試合に臨むクラブは、CLの舞台においてはあまり見たことがない。
イタリアの名門・ACミランはシーズン開幕前、CL出場を1つの目標に掲げていた。クラブにとってリーグ優勝の次に大事なのがこの欧州最高峰の舞台へ出場すること。CLとはそれほど価値の高い大会になっている。
ウクライナ・キエフに立地するオリンピスキ・スタジアムで行われる今季のCL決勝のチケットはVIP席で何と3200万ユーロ(約42万円)と破格の値段となっている。いくらVIP席とはいえ、この値段は日本では考えられない。こういった部分でもCLがいかに価値の高い大会なのかがわかるだろう。ちなみにACL決勝戦第2戦のチケットは一番高いもので9000円だった。
そして、欧州の移籍市場においてもCLは1つの重要な要素となっている。例えば、現在マンチェスター・ユナイテッドに所属しているアレクシス・サンチェスは移籍先の候補として「CLに出場できるクラブ」を挙げている。それまで所属していたアーセナルは昨季5位に終わり、CL出場を逃していたため、欧州最高峰の舞台への挑戦権を得ていたマンチェスター・Uへ移籍を決めたのだった。選手が新天地を選ぶ基準、CLは欧州の移籍市場に影響を及ぼす力を持っているのだ。
クラブや選手、そして一般のファンからしてもCLは非常に価値が高く、そして重要な大会という認識なのだ。ACLとはレベルの違いだけでなく、こうした部分でも圧倒的な差が生まれている。もちろん大会の歴史、欧州とアジアのサッカー認知度の違いは多少あるとはいえ、クラブの大陸王者を決める大会であるということには変わりはないのだ。
欧州とアジアでは主要大会にも大きな差があることを忘れてはならない。