不利に働いた過密日程。対戦相手も恐れるサッカーを披露するが…
ここまでわずか3勝しか挙げることができてないとはいえ、対戦した相手選手たちは口を揃えて彼らの戦い方を絶賛している。鹿島アントラーズが0-3で敗れた4月28日の試合後に内田篤人は、40歳の中澤佑二があれほど高いラインを敷いてプレーすることに驚嘆する様子を見せていた。シーズン序盤に対戦して強い感銘を受け、「あれこそがサッカーだ」とコメントしていたJ1優勝経験選手もいた。
常に攻撃志向のスタンスは、もちろんチームがこれまでに喫した失点のいくつかの原因にもなった。ジュビロ磐田に1-3で敗れた5月2日の試合で田口泰士がロングレンジから決めた2点目はその顕著な例だ。だが同時にこのスタイルは、左サイドバックの山中亮輔がチーム最多の4アシストを供給するという結果にも繋がっている。
ポステコグルー監督の特殊なスタイルに適応するのに時間が必要であることは当初から感じられていた。監督自身も開幕前から、まずは新たな基礎を築くことに集中する必要があることを強調していた。
「過去3年間を見渡してみれば、このチームは本当に大きくメンバーを入れ替えてきた」と指揮官はJリーグのプレシーズンカンファレンスで話していた。
「選手の年齢層も大幅に下がっている。かなり年齢の高いチームだったが、今は非常に若いチームになった。だからこそ、これから積み上げていく上での良い基礎があると言えると思う」
「アグレッシブで攻撃的なチームになりたいと思う。そのためにはコンディションを整え、ある一定のテンポで戦うことが必要だ。だから練習ではその部分に集中している。その基礎に上積みを加え、どういうプレーをするかについての戦術的な考えをもっと選手たちに伝えていきたい」
今季J1のここまでの過密日程が不利に働いたことも確かだ。毎週のように2試合を戦う中で、彼らほど高いプレスをかけようとするスタイルのチームが継続して良い結果を出し続けるのが容易ではないことは全く不思議ではない。