西野ジャパンへの脅威
ミッドフィルダーとしてすでにドルトムントで実績のある香川真司については何を言えるものか。「サムライブルー」として、新監督の采配の下、大暴れするだろう。コロンビアのスポーツ記者で、長谷部・本田・香川の能力を疑う者はいない。日本は良い試合を見せてくれるはずだ。西野は監督として、若手とこれらスター選手を活かした采配ができる。
しかし、甘いコメントばかりではない。監督を試合直前に交代するなど、チームサッカーに致命傷だという指摘はやはり多い。単純に、対戦選手の分析や自国選手の采配にかける彼の持ち時間は少なすぎる。
西野は就任会見でこう言った。「勝つ確率を高めていくには、選手たちのプレー、本来持っているパフォーマンスをしっかり出させる。選手たちのパフォーマンスを代表チームの中でもしっかり出していける。そういう状況を求めていきたい」。その上で、「予選(グループリーグ)は突破したい」と。
ワールドカップ前の腕試しとして、日本はガーナと対戦する。新監督にとっては最初の通知表となるほか、ワールドカップメンバーの最終選考となる。
そしてワールドカップでは、日本は最初にコロンビアと対戦する。もちろん、新監督と選手は我々を破るための戦略をはりめぐらせているだろう。天才ハメス・ロドリゲス、ジミ・チャラ、クアドラード、ファルカオ……。西野のいう通り、これらを突破する完全な戦略なくして、試合に臨むことなどまさかありえないのだから。
私は、日本代表は脅威になりうると思っている。西野は日本サッカーに精通し、コロンビアを突破するための采配をふることは、彼にとって難しいことだとは思わない。日本対コロンビア戦は、ロシアワールドカップで最も面白い試合の1つになると信じている。
(文:ケンジ・ドク「エル・エラルド」)
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