吉田の口から語られたサウジ移籍話の真相
残留争いの真っただ中にある大切な試合での退場処分。責任感も強く、しかも事の重大さを理解しているだけに、試合後、ミックスゾーンに出てきた吉田は憔悴していた。
「(2枚目のイエローカードとなったタックルは)行く必要なかったですね。ステイするべきだった。なんで行ったか分からない。なるべく前で止めて、楽に試合を運びたかったので。でも、(イエローカードを)1枚もらっているんでね、そこのリスクマネジメントをしっかりしなくてはいけなかったので……完全なミスですね」
普段からポジティブで、本来は失敗をしても自分のプレーに自信を持っているタイプの吉田としては珍しく、後悔の言葉ばかりが口をついた。状況が状況だけに、当然だとはいえるのだが…。
会話が弾まず、いつもより短めの囲み取材になりそうだった。選手本人もそのまま終わりにしたいところだったはずだが、記者陣としては、このタイミングでは聞きにくい話を切り出さなくてはならなかった。
「ところで、最近出ていたサウジアラビア移籍の話は…」
ここで吉田の表情に変化が見えた。そして、クラブの広報担当者と確認し、広報は一時「その質問は受けられない」といった素振りで断ろうとするも、本人がそれを制して、きっぱり「まったく根拠がないですね」と言った。
「根拠がまるでない。っていうか、どこからそれが出てきたのか分からないし、僕はもうここの残りの3試合に集中していた。SNSで否定しても良かったが、バタバタして時間もなかった」
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