1部残留のために一丸となったマインツ
4分、リドル・バクの先制ゴールを許すと、13分には、左サイドのパブロ・デブラシスからのクロスを武藤嘉紀がヘディング弾。前半の15分も経たないうちに、スコアは0-2となった。チャンスと見るや一気に雪崩れ込むマインツの攻撃陣に、ドルトムントの守備陣は対応し切れなかった。敵将サンドロ・シュヴァルツ監督は今回の試合を控えて、CL準決勝2ndレグ対ローマ戦におけるリバプールのオフェンスを参考にすると語っていた。
ドルトムントは16分にマキシミリアン・フィリップが1点を返したが、そこからが続かなかった。ジェイドン・サンチョがサイドからボールを入れるが、強固な守備ブロックを前に、マルコ・ロイスもマリオ・ゲッツェもシュートを決め切れない。試合の終盤にかけては、ワントップの武藤を除く全員がペナルティエリア内で守ることもあるなど、マインツはチーム一丸となって勝利を、勝ち点3を目指した。
ペーター・シュテーガー監督は言う。
「マインツは示した。何か大きなことを成し遂げようとしたならば、どのように行動しなければならないかをね」
ドルトムントに2-1で勝利したマインツは、ブンデス1部残留を確定させた。
マインツに1-2で敗れたドルトムントは、来季のCL出場権を確保できなかった。よってバイデンフェラーに出番が回ることもない。花道を飾ることはできなかった。
交代枠を、控えGKのために1つ残しておきながら勝利を掴めるほど、ブンデスリーガは、甘くはなかった。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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