夢だった日産のピッチ。18歳のルーキーがリーグ戦デビュー
「日産スタジアムのピッチに立つことは1つの目標だったので、あの階段を上がっている時とかは『今から始まるんだな』というか。試合が始まる前までが一番緊張したり、感じるものが多かったです」
今季、横浜F・マリノスのユースからトップチームに昇格したばかりの18歳、山田康太は先月28日に行われた鹿島アントラーズ戦の後、しみじみと初めてのリーグ戦出場を振り返った。
すでに2種登録されていた昨年、YBCルヴァンカップと天皇杯でトップチームデビューを飾っていた山田。今季もルヴァンカップで出場機会を得ていたが、リーグ戦は初出場。しかも初先発で90分間戦い抜き、マリノスの3-0での勝利に大きく貢献した。
「前日練習から『ちょっと出るかもよ』くらいに言われていて、昨日の夜くらいが一番緊張していたんです。そういう時ってだいたい出るじゃないですか(笑)。だからいろいろ考えちゃったんですけど、やっぱりウォーミングアップとかが始まってしまえば思い切ってやるだけだと思って。隣に(中澤)佑二さんとかいたし、(飯倉)大樹くんもいて、すごく前向きな言葉をかけてもらいました。
日産スタジアムのピッチは自分の1つの夢でもあったし、小さい頃からマリノスで育ってきて、すごく感動したというか、結構うれしくて。最後のアディショナルタイムくらいですかね…ボールが切れて、勝ちが見えて、もうすぐホイッスルが鳴るという時にサポーターの方を見たら、すごく熱い応援をしてくれていた。胸に残りましたし、感動して、勝った時には本当に嬉しかったです。個人としてもチームとしても状況が悪かったので、ホームで鹿島に3-0で勝てたというのはチームとしても自分としても自信になったかなと思います」
鹿島戦で山田は右サイドバックに入り、対面となった3つ年上の鈴木優磨を完封して見せた。だが、この18歳がサイドバックに挑戦し始めたのは、たった1ヶ月半前のことなのである。それは突然にやってきた。
ルヴァンカップのグループリーグ第2節・ベガルタ仙台戦の前日、3月13日の練習でのこと。最後に行われた紅白戦で、翌日の試合に向けたメンバーと思われる中に山田の姿があった。そしてポジションは本職のセントラルMFではなく、サイドバックだった。