CLではホーム無敗のローマ
逆にローマは、最低でも3点を奪わなければならない非常に難しい状況に置かれてしまった。準々決勝2ndレグの対バルセロナ戦では3-0の勝利を収め大逆転劇を起こしてみせたが、今回はそう簡単にはいかないだろう。
準々決勝ではゲーゲンプレスを敢行し、バルセロナのビルドアップ阻止に成功した。しかしリバプール相手に同じようなことが通用するわけではなく、前に出すぎてしまえば素早いカウンターを食らってしまう。ローマの3バック、特に左CBのファン・ジェズス1人でサラーを止めることはできていない。事実、1stレグでの4失点は左サイドを破られて喫している。また、右CBのフェデリコ・ファシオもマネと1対1の状況を強いられてしまえば、スピードの部分で劣ってしまう。
とはいえ前には出なければならない。そのためエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督としては被カウンター時の対策が必須になってくる。そしてサラー、マネの両翼をどう封じるのか。ローマはこの2つの対策が決勝へ勝ち残るためのカギとなるだろう。
しかしローマにとってプラスなのは、今季のCL決勝トーナメントのすべてにおいて1stレグで敗北を喫しているのだが、2ndレグでは逆にすべて勝利を収めているということ。そしてCLの舞台では、本拠地スタディオ・オリンピコで無敗をキープしている。今シーズン、ローマが対戦したチームにはチェルシー、アトレティコ・マドリー、バルセロナと強豪が揃う。こういった面々にホームで負けていないという事実はローマが持つポジティブ要素だ。
リバプールも今季のCLでアウェイ戦は落としていないが、いわゆる“強豪”というチームは準々決勝で対戦したマンチェスター・シティしかいなかった。そのためローマとのアウェイゲームは真の実力が問われる一戦ということになりそうだ。
果たして今回はホームの利を活かすことはできるのか、逆にリバプールはそれを跳ね除けるのか。大注目の準決勝2ndレグはすぐそこまで迫っている。
(文:小澤祐作)
【了】