止まらなかった“爆速王”サラー
ハイプレス対決はリバプールに軍配が挙がった。4月24日に行われたリバプール対ローマのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグはホームチームが5-2と圧勝し、決勝進出への王手をかけたのである。
この試合で驚異的な活躍をみせたのがモハメド・サラーだ。現在プレミアリーグ得点ランキング1位、リバプールのレジェンドであるイアン・ラッシュ氏が持つ同クラブでの最多得点記録更新を狙う同選手はCL準決勝の舞台でも圧巻の輝きを放った。
サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノとで形成される強力な3トップはローマを相手にも凄まじい破壊力をみせる。中盤でボールを奪うと素早く前線に展開し、相手の守備陣形を整わせることを不可能とさせた。特に、左ウイングバックに入っていたアレクサンドル・コラロフが前線に飛び出ていて手薄になっている相手の右サイドを重点的に狙い、手数をかけずにゴールへ迫ったのである。なんといっても右サイドで待ち構えているのは、サラーだ。
前半36分にローマが中盤でボールロストすると、これを奪ったフィルミーノが左サイドに素早く展開。フリーで待ち構えていたサラーはそのまま見事なミドルシュートを叩き込んだのである。その10分後には、味方のクリアボールを拾ったフィルミーノがDFファン・ジェズスを振り切った背番号11にスルーパスを供給。これを冷静に沈め、前半で2点のリードを呼び込んだ。
後半に入っても“爆速王”の勢いは止まらなかった。ローマが高く保ったDFラインの裏へオフサイドギリギリで抜け出し、56分にマネのゴールをお膳立て。さらにその5分後にもフィルミーノのゴールをアシストするなど、サラーは61分までにチームに4点をもたらしたのである。その後チームは1点を加え、5-0と大差をつけることに成功した。
最終的にはローマに2点を返されたものの、3点のリードを得て挑む2ndレグは少し余裕を持って挑むことができそうだ。ローマを散々苦しめたゲーゲンプレスを2ndレグでも継続し、強力な3トップを中心に一気にゴールまで迫ってアウェイゴールを1点でも奪うことができれば、勝負は決するだろう。そのため攻撃陣にかかる期待は大きい。特にサラーには1stレグと同じような活躍ができるかに期待がかかる。