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「自分たちらしいサッカー」は不要、レアルが見せた現実。勝利を手繰り寄せた戦略とは?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

明暗を分けたGKの存在

 そして、今回の2ndレグで大きなポイントとなったのがGKの存在である。

 マドリーのGKケイラー・ナバスは、波なるパフォーマンスが批判の対象となることも少なくはない。しかし、この試合では10本の枠内シュートを浴びながら、8本のシュートセーブを記録。決定的な場面でのセーブは4回を記録した。

 その結果、2失点を喫しながらもデータサイト「Who Scored.com」のレーティングで両チームトップの9.0を与えられた。

 一方、バイエルンのGKは負傷中のノイアーに代わってウルライヒが務めたが、この試合の46分にはバックパスの処理を誤り、失点を招く痛恨のミスを犯すなど2試合を通して低調なパフォーマンスに終始。正GKの不在がバイエルンの敗因の1つとなってしまった。

 今回のバイエルンは、1stレグがホームという難しい立場となり、予想される対戦相手のゲームプランをいなす戦略を立てきれず、選手も全員がベストなパフォーマンスを維持できなかった。

 ハイレベルな対戦で勝敗を分けるのは、的確なゲームプランとそれを遂行できる選手のパフォーマンスである。日本サッカー界はロマンばかりを追い求め、現実に目を背け続けていては、高い目標を乗り越えることはできない。

(文:海老沢純一)

【了】

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