アーセナルの新監督に必要な「4要素」
ヴェンゲルの在任期間は22年にも及んだ。後任の人選は難しい。給与、ネームバリュー、サポーターからの信頼などを吟味し、なおかつ政治を好むタイプも排除しなければならない。やる気満々のルイ・ファン・ハールは病的にマニアックで、政治力を持ちたがる。カルロ・アンチェロッティは守備組織の再構築という喫緊のテーマなら改善できるが、ほぼ完成したチームを率いるケースが多かった。リスタートのときを迎えたアーセナルにはふさわしくない。ファン・ハールも含め、刷新のイメージとはかけ離れすぎている。
それでも、来季こそCLの出場権奪還という目標を達成しなければならない名門アーセナルを率いるには、経験値も大きな審査ポイントになる。先述した給与、ネームバリュー、サポーターの信頼も含めた4要素の総合点が新監督の決め手となり、やはり30代の候補者は優先順位が低いのではないだろうか。
ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督はプレミアリーグに興味津々だ。ロシアワールドカップ終了後、ドイツ代表のヨアヒム・レーブがクラブレベルの監督にチャレンジする、との情報も入手した。なるほど彼らなら「4要素」を満たし、法外な年俸も要求しないだろう。
長期的なプランとして若手監督の登用には拍手を送りたいが、アーセナルは結果を求められるクラブだ。トップレベルの指揮官を招聘しなくてはならない。
(文:粕谷秀樹)
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