チェコの栄光の系譜次ぐGKの牙城崩せず
ドルトムントの前に立ちはだかったのはチェコ代表GK。今季、スラヴィア・プラハからブレーメンに加入した。
かつて前線にヤン・コラーとミラン・バロシュ、中盤にトーマス・ロシツキ、パベル・ネドヴェド、トーマス・ガラセクらを擁し、EURO2004でベスト4にまで登り詰めたチェコ代表。15年近くの時が流れ、栄光の時代は過去のものとなった。しかしその系譜が決して途絶えてはいないことを、イリ・パブレンカは、ドルトムントを相手に示してみせたのだ。
26歳のGKは、特に終盤に掛けて高いパフォーマンスを発揮。80分、アンドレ・シュールレのシュートを至近距離で防ぎ、86分にもシュールレのヘディングを阻止。決してドルトムントに勝ち越しを許さない。
ドルトムントは運のないところもあった。66分のロイスのシュートは、セバスティアン・ラングカンプの足に当たって右のポストに直撃。80分のサンチョのヘディングはクロスバーに当たる。
結局パブレンカの牙城を、1点目以降は最後まで崩せず、試合は1-1のドローに終わった。
それでもバイグルは、ブレーメン戦における「好パフォーマンス」によって「最後の2試合に向けて自信を得た」と言う。高いレベルでボールポゼッションを実現し、多くの決定機を作り出したからだ。
CL出場権獲得に向けて、少し足踏みのドルトムント。次節の1.FSVマインツ05戦には勝って、ホームで今季の目標を達成したいところだ。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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