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マンU伝説の「ファーガソンの雛鳥たち」全選手紹介。ギグス、ベッカム、スコールズ…歴史に名を刻む男たちの肖像

マンチェスター・ユナイテッドがかつての誇りを取り戻す日は来るのだろうか。かつて、アレックス・ファーガソン監督に率いられたチームは数多くの栄光を手にした。その中心となったのが、「ファーギーズ・フレッジリングズ(ファーガソンの雛鳥たち)」と呼ばれたユース出身の選手たちだった。今回、黄金時代を形成した「雛鳥」を紹介する。

シリーズ:マンU伝説の「ファーガソンの雛鳥たち」 text by 編集部 photo by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッド史上最高の選手

ライアン・ギグス
マンチェスター・ユナイテッドで長く活躍したライアン・ギグス【写真:Getty Images】

MF:ライアン・ギグス
生年月日:1973年11月29日(45歳)
トップチームデビュー:1991年3月2日(17歳)
クラブ経歴(リーグ戦成績)
90/91~13/14 マンチェスター・ユナイテッド 672試合114得点
代表歴:ウェールズ代表 64試合12得点
主なポジション:左サイドハーフ

 マンチェスター・ユナイテッドの141年の歴史において、ボビー・チャールトンとともに最高の選手と評されるのがライアン・ギグスだ。圧倒的なスピードと切れ味抜群のドリブルで左サイドを切り裂く姿は、イングランドのみならず世界中のファンを虜にした。

 ギグスは、イングランド国内リーグがプレミアリーグとなる以前、フットボールリーグ・1stディビジョンの名称だった1991年3月2日、第28節エバートン戦の35分に負傷したデニス・アーウィンとの交代でトップチームデビューを果たした。

 翌91/92シーズンにはトップチームでの出場機会を増やしつつ、ユースチームのキャプテンを務めてデビッド・ベッカム、ガリー・ネビル、ニッキー・バットとともに92年のFAユースカップを制した。

 そしてトップチームデビューから3年目の92/93シーズンには41試合に出場して9得点。19歳にしてプレミアリーグ初代王者の称号を手にしたチームの中心選手となり、マイケル・オーウェン以前の“ワンダーボーイ”と呼ばれ絶大な人気を獲得した。

その距離60m。サッカー史に残る伝説のゴールとは?

 ギグスのキャリアにおいて、特筆すべき試合は98/99シーズン、1999年4月14日に行われたアーセナルとのFAカップ準決勝再試合。4月11日に行われた試合が0-0の引き分けに終わり、当時の規定で再試合となったこの一戦は、17分にデビッド・ベッカムのゴールでユナイテッドが先制するも、69分にデニス・ベルカンプのゴールで同点となる。

 さらに74分にロイ・キーンが2度目の警告で退場すると、後半アディショナルタイムにはフィル・ジョーンズがペナルティエリア内でファウルを犯してPKを献上。しかし、ベルカンプが蹴ったシュートをGKピーター・シュマイケルがビッグセーブで阻止し、試合は延長へ。

 そして109分、ギグスはパトリック・ヴィエラのミスパスを自陣ハーフライン付近でダッシュするとドリブルを開始。ペナルティエリア手前では相手DFのリー・ディクソンとマーティン・キーオンのブロックを突破し、トニー・アダムスのスライディングもかわしてゴール。およそ60mを独走してのゴールはセンセーショナルに伝えられた。

 さらにこのシーズンはチャンピオンズリーグでも決勝に進出。バイエルンとの一戦では後半アディショナルタイムにテディ・シェリンガムの同点ゴールをアシスト。“カンプ・ノウの奇跡”の立役者の1人となり、3冠達成に貢献した。

 24年に及ぶユナイテッドでのシーズンにおいて、その活躍ぶりもさることながら、大きな負傷による長期離脱のない点も素晴らしさを物語っている。デビューシーズンの2試合出場とシーズン途中に選手兼任監督を務めた最終年の12試合出場を除くと、全て20試合以上の出場を記録し、リーグ戦通算では672試合、公式戦では963試合に出場した。

 そして、獲得したタイトルはプレミアリーグ13回、FAカップ4回、リーグカップ4回、チャンピオンズリーグ2回と圧倒的な数字を記録しており、まさにマンチェスター・ユナイテッドの成功を体現する存在となった。

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