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日本代表 7年前

吉田麻也、ハリル解任にも泰然自若。正念場で監督交代も…ブレない心を育んだクラブでの経験

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

吉田を悩ませたクラブの不振

 昨年の終盤ごろから、吉田は悶々とした気持ちでプレーし続けてきた。長年の我慢が実ってついにレギュラーの座を掴み、そしてゲームキャプテンを務める立場になったが、そんな中でチームは低迷。プレミアリーグ開幕直後の8月には、好パフォーマンスでファンのハートを掴んでチームの月間最優秀選手に選出されたものの、チームに引きずられるように自身のプレー内容も悪くなっていった。

 無論、本人は自身のプレーに満足していなかったが、同時に何も見えてこないペジェグリーノ前監督の指導にもどかしさを感じているように映った。

 昨年12月下旬。2-5で惨敗を喫したトッテナム戦後、吉田は現地メディアの取材に対して、「クロード・ピュエルが指揮していた時より、チームの状態は悪くなっている」とこぼしたように、フラストレーションが募っていた。当時、チームは直近の7試合で勝ち星から見放され、それ以前の11試合でわずか1勝のみ。その後、状態はさらに悪化していき、次に勝利を収めたのは2月3日だった。

 だが、不満を感じているのは結果についてだけではなかった。内容に乏しく、サウサンプトンのサポーターでなくとも、その戦いぶりを見ていると辟易してしまうくらいだった。ピッチ上でプレーしている当事者であれば、なおさらだろう。

 ペジェグリーノ前監督はボールポゼッションするだけで満足したかのように、横へのパスばかりが目立った。選手たちがファイナルサード(ピッチを3分割して相手ゴール前に最も近いエリア)で勝負を仕掛ける回数が少なく、必然的にゴール数はリーグ最低レベル。点が取れずに勝てない試合が多くなった。

 例えば1月31日のブライトン戦もそうで、勝利が必須と見られたこの試合でも、結果的に勝負を決めることができずに1-1で引き分けた。怪我明けで出場機会がなかった吉田も「勝たなければいけなかった試合。勝てないね。なんででしょう? 分からないね」とうなだれた。

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