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Jリーグ 7年前

札幌FW都倉賢、北の大地で描く成長曲線。ミシャとの出会いで起きたパラダイムシフト

text by 藤江直人 photo by Getty Images

点と点が繋がり線になる。都倉が実感する化学反応

ミハイロ・ペトロヴィッチ
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の就任は北海道コンサドーレ札幌の選手たちにとっても都倉賢にとっても好影響を及ぼした【写真:Getty Images for DAZN】

 2015シーズンに初めて筋肉系のけがを起こし、不完全燃焼の思いを募らせた。その反省から独学で小麦製品をとらない、いわゆるグルテンフリーの食生活に家族の協力を得ながら取り組んだ。脱水気味の状態にならないように水分をこまめに補給し、トレーナーのもとで筋肉のケアなどにも細心の注意を払った。

 チーム最長となる3537分間プレーした2016シーズンはチーム最多、リーグでも2位となる19ゴールをマーク。コンサドーレのJ2制覇とJ1昇格の原動力となり、昨季はチーム内ではFWジェイに次ぐ2位で、自身のキャリアではJ1で年間最多となる9ゴールを挙げて残留に貢献した。

 そして、ペトロヴィッチ新監督を迎えた今季。チームを運営する株式会社コンサドーレの野々村芳和代表取締役社長から、開幕を前にして投げかけられた「新たな景色を一緒に見よう」という言葉が、選手たちのモチベーションを高ぶらせた。チーム全員の思いを都倉が代弁する。

「タイトル獲得であるとか、ACL(の出場権獲得)であるとか、もっともっと上を目指せるんじゃないかと。もう残留を目標にするのではなく、心の在り方とか立ち居振る舞いという部分も含めて、ミシャのサッカーのもとで、新たな景色を見るための準備をしていかなければいけないと思っています」

 J1第9節を終えた段階で、コンサドーレは4勝3分け2敗と勝ち点15を積み上げて4位につけている。昨季は勝ち点15に到達したのが、シーズンが折り返す第17節だった。ほぼ倍のペースで勝ち点を積み重ねる軌跡に、チーム最多の3ゴールを挙げ、そのうち2つが決勝弾だった都倉も声を弾ませる。

「ここまでの全ての試合で、胸を張れるチームになっていると思っています」

 もがき苦しみながらもサッカー人生に刻んできた点が繋がり合い、未来へ真っすぐ伸びる線と化しつつある。稀有な身体能力と高度な得点感覚、まだ全てが解放されていない潜在能力を融合させ、体のなかで化学反応を起こさせながら、都倉は新生コンサドーレの象徴として存在感を増幅させていく。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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