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代表 7年前

ハリル解任の日本が反面教師にすべきイングランド。サッカーの母国が繰り返してきた失敗の歴史

text by 山中忍 photo by Getty Images

国際大会直前の監督交代で「無難」を突き詰めると…

 両MFの犠牲となったのがマイケル・キャリックである。中盤深部の策士としては勝るとも劣らぬ能力を持ちながら、黄金世代の集大成としての優勝が期待外れに終わった南アフリカワールドカップでは一度もピッチに立てなかったキャリックは、後に英『BBC』の番組で「もう招集は勘弁して下さいとFAに伝えた」と、明かしている。

 続くEURO2012でキャリックの希望は叶えられた。控え組としての招集を避けたホジソンは大会前月の就任。前任者のカペッロが、人種差別疑惑の渦中にあったジョン・テリーのキャプテン降格を決めたFAの判断を職域侵害と理解して離任を決め、テストマッチ2試合のみで本番に臨むことになった後任監督は、ピッチの内外で無難な選択肢を取るしかなかった。

 ピッチ外ではキャリックより9歳若いジョーダン・ヘンダーソンをベンチ要員の1人に選び、ピッチ上では、引いて守ってカウンターを狙うリスク軽減策を選択。イングランドは、褒められもけなされしない欧州ベスト8で姿を消した。

 交代のタイミングはもうひと月ほど早かったが、ロシアワールドカップを前に監督交代を見た日本代表も同じような状況にある。ホジソンのような大ベテラン監督ではないが、技術委員長の立場で日本代表を見てきた西野朗新監督は、純然たる新体制の発足には時間がなさすぎる中で妥当な短期就任ではあるのだろう。

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