中断期間までは“継続”を強調
「また日本に帰ることができて嬉しく思っております。そして、浦和のようなビッグチームの指揮を執ることができ、光栄に思います」
浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ新監督は、このように述べた。鹿島アントラーズで前人未到のリーグ3連覇を成し遂げた名将は、新天地でどのような采配を見せるのだろうか。
中村修三GMは、「鹿島やブラジルでの豊富な経験、実績、日本をよく知っていること。今まで我々が目指してきた強くて魅力あるチーム作りを継続してやっていただける人材ということでお願いしました」と、監督招聘の理由を説明している。
2007年には目前に迫ったリーグ優勝を逆転でかっさらわれ、2009年には埼玉スタジアムで3連覇達成の瞬間を見せつけられるなど、鹿島を率いていたオリヴェイラ監督は浦和にとって“天敵”とも言える存在だ。
だからこそ、このブラジル人監督の力量をよくわかっているとも言える。当時の鹿島が示した粘り強さ、最後まで消えない闘志、集団としてのクオリティには目を見張るものがあった。浦和は好敵手として、常勝軍団のそうした特徴を間近で見てきた。そのチームを束ねたオリヴェイラ監督が、浦和をどのように進化させるのか。非常に興味深いポイントだ。
シーズン途中での就任について、オリヴェイラ監督は「理想的なタイミングではない」と言う。現在は連戦の真っ只中。そうした状況に合わせたチーム作りを行っていくようだ。
「浦和はしっかりとしたプレーのコンセプトがあると感じた。シーズンが経過するにつれて発展させたい部分はあるが、今シーズンのスタートからできあがっている形もあるので、そこは尊重しながら。大きく崩すことはしたくありません。連戦でトレーニングする時間があまりないので、そういうスタートの仕方をしたい。この状況で一番賢いやり方は、少なくともワールドカップの中断までは今のやり方に継続性を持たせることが大事だと思う。中断期間でより多くの指示や、我々の望んでいるものを選手たちに与えることができる」