“ミシャ式”にとらわれない戦いを見せる札幌
公式戦4連勝中のチーム同士の対戦は、スコアが動かぬまま終了した。「どちらも負けたくないという強い想いが出た試合だと思う。どちらもよく走り、戦ったゲームだと。引き分けという結果は妥当だと思う」と振り返ったのは、今季から北海道コンサドーレ札幌を率いているミハイロ・ペトロヴィッチ監督だ。
主導権を握ったのは浦和だった。ボールを動かしながら、相手の隙を狙っていく。だが、札幌はゴールを許さなかった。27分にはPA内に走り込んだ柏木陽介にシュートを打たれるも、DFが懸命に足を出してブロックしている。アウェイチームは相手に翻弄されながらも、水際で防いでいた。
キャプテンの宮澤裕樹は「チームとして粘り強く戦うことができた」と手応えを口にした。21歳の進藤亮佑もこう語っている。
「最悪、崩されてもゴール前でやられなければ失点しないという割り切りは持ちつつ、厳しく戦えたと思う。ゼロで終われたのは、これからも継続していきたい。今日に関してはもう少し、チャンスを多く作りたかったです。ビルドアップの部分で安定してやれれば、もう何個かチャンスを作れたと思う。コーナーキックの数も今日は2回と少なかったですし、もうちょっと自分たちの時間を増やしていかないといけない」
札幌は現在、4勝3分2敗の4位と好調だ。ペトロヴィッチ監督が就任したことで、“ミシャ式”と呼ばれる特殊なスタイルも導入されている。最終ラインからボールを動かし、サイドや中央からゴールを目指す。
的確なビルドアップやコンビネーションによる崩しは浦和やサンフレッチェ広島にまだ及ばないが、就任3ヶ月と日が浅い。今後さらに向上するはずだ。
独特な戦い方を習得している最中だが、チームは勝ち点を上積みできている。“ミシャ式”にこだわるだけでなく、状況に応じたプレーができているようだ。