プレミア昇格に「待った」!?
ここまでを見ると、ウォルバーハンプトンのプレミアリーグ昇格後も順風満帆かのように見える。だが、英紙『ガーディアン』の報道によれば、プレミアリーグとFA(イングランドフットボール連盟)が昇格そのものに「待った」をかける可能性があるという。
原因はメンデス氏とクラブの関係性にある。FAは代理人がクラブの業務に「重要な影響力」を持つことを禁じている。ウォルバーハンプトンを買収した復星集団がジェスティフト社の株式をを一部保有していることが問題視されている。
このルールでは「クラブが5%以上の株式を所有しているか、財務上または商業上、直接的でも間接的でも、正式にであろうと非公式であろうと、代理人がクラブの業務に影響を与えてはならない」と定められている。
しかし、これまでの2年間、チャンピオンシップを管轄するイングランド・フットボールリーグはメンデス氏とウォルバーハンプトンの関係を黙認してきた。それがプレミアリーグに昇格することでどのような扱いに変化するか注目されている。
もちろんメンデス氏も、すでに“公然の秘密”になっていながら、自らがウォルバーハンプトンの選手獲得などに影響を及ぼしていないと主張し続けている。ジェスティフト社の株式も、復星国際が直接保有するのではなく、別の法人が間接的に保有する形にしているとも言われている。
また、選手を獲得する際に提出される書類にも「ジョルジュ・メンデス」という名前は一切出てきていないという。例えばメンデス氏の顧客として有名だったルベン・ネヴェスの獲得において、ポルトからウォルバーハンプトンへの移籍の際に交渉を担当した代理人はホルヘ・ピレス・セラスヘイロ氏として申請されている。
ジオゴ・ジョッタの獲得交渉にしても、届け出書類には担当した代理人がスペイン人のカルロス・ブルセゴ・ゴメス氏と記録されている。昨年ウォルバーハンプトンに加入したイバン・カバレイロやジョアン・テイシェイラの取引でも書類には別の代理人の名前が記された。
ピレス・セラスヘイロ氏やブルセゴ・ゴメス氏は、表向きはメンデス氏と無関係ということになっている。復星集団によるクラブ買収後、移籍交渉においてジェスティフト社の名前が書類に現れたのは一度だけだったと『ガーディアン』紙は伝えた。